どろどろに重たい泥の底。 頭のてっぺんまでずっぽりはまりきりながら、それでも必死で息をしようとあがいてる。 足で水を蹴ろうとしても、泥に飲まれる。 手を、指先を伸ばしても、光なんて見えない。 ――あたし、このまま死んじゃうんだ。 いまさら悟って、自分のこころに残った気持ちを確かめようと、感覚の瞳をこらした、瞬間。 あたしは、目を醒ました。