「じいさま、今日は帰れないって」 受話器を置いて 明良がちらりと、 お箸をくわえたままのあたしを見る。 「ん」 軽く頷いて、あたしは 夕飯の残りにとりかかる。 ぐちゃぐちゃになった焼き魚。 何度トライしても茹ですぎるホウレン草。 薄味すぎる味噌汁。 ――今日の食事当番は、明良だ。