落ちていくあたしを、よそに。
都倉サンは紅茶をひとくち飲んで、言葉を続けた。
「明良が話さないからこそ、あたしは、あなたに会いたかったの。明良が口にできないほど大切なひとは、どんな子なんだろうって」
あたしはぎくん、と身を震わせた。
いま、あたしは嬉しいと思ったのか。
それとも、怖いと思ったのか。
「あなたに、お願いがあるの」
都倉サンはあたしを見つめる。
後ろめたさなんてカケラもない、まっすぐな瞳。
彼女が羨ましくも、妬ましくもなる。
血のつながりなんてカケラもない、他人の明良とレンアイできるのが、羨ましいんじゃない。
正しい正しくないじゃなくて、確固たる意志を貫ける強さがありそうな感じが、羨ましい。
妬ましい。
きっと彼女はあたしに、ためらいもなくひどいコトを云ってのけるから。
「明良の前から消えて。
少なくとも、明良があなたの前から消えるのを、邪魔しないで」


