秘/恋




どれくらい、そうやっていたのか。


「ごめんなさい」


じわりと彼女が顔をゆるめた。


「え……?」

「ウソよ。明良は、あなたのことはなにも話さない。
私、校内であなたを見るまで、明良に妹がいるなんて知らなかったわ。
逆に話を振ると、不機嫌になるからなにも訊いたこともないの」


徹底してるのよ、と付け加える。


「そう……」


頭に昇った血が、ゆっくり末端に落ちていく。

気持ちが醒めてみれば、余計この空間の耐えがたさが募った。


――このひとは、あたしになにが云いたいんだろ?


ぐるぐる空回る何度目かの疑問。

壁に掛けられた時計は、まだあたしを助けてはくれないみたいだ。