いつも、遠くから眺めるばかりのひと。


眺めるたびに、やりきれない気分にさせられるひと。


そのひとが、はっきりとあたしを見ている。


「荘野明姫さん?」


あたしの名前を、呼んでいる。


長い髪が綺麗な。

大人びた穏やかな瞳が綺麗な。

明良の、彼女が。