リビングでは、すでにじいさまと明良が食卓についていた。
まだ茶碗が伏せられた食卓を見て、あたしは盛大に顔をしかめる。
「ちょっと、じいさま。なに未成年飲ませてんの?!」
食卓に並んでいるのは、ビールの缶がみっつ。
しかもふたつは飲み尽くされ、無駄に捻りつぶされている。
「未成年ったって、おまえと同じ歳だろう? 明姫」
「それを、未成年って呼ぶんでしょ! 保護者!」
「まあまあ」
「まあまあじゃない!」
グラスを片手に、じいさまも明良も機嫌よさそうにへらへら笑っている。
自分でもつまんない型通りのお説教なんて、効きやしない。
なんだか置いていかれた気分だ。


