「さっさと洗えよ?」

今日の朝永さんはよく喋る。
それに自然に笑ってまでいる。

お風呂から洗って出たら、別人の朝永さんかもしれない。


私は浴室から出て行った朝永さんが気になって、慌ててサッとシャワーで足の裏の汚れを落とすとリビングへ走った。


「携帯持て。今から言う番号に電話かけろ。俺もお前の番号登録する」

扉を開けても変わらずの朝永さんで、心がむず痒い。

私は言われた通りに携帯を掴み、朝永さんが言った十一個の数字を入力して発信を押すと、目の前の朝永さんの携帯が光って震えた。

「じゃ、俺は風呂」

そう言うとリビングから出て行った朝永さん。


私は眠ることにした。
リビングの明かりを消して、ソファーに行くとタオルケットを羽織ると瞼を閉じる。