「きゃあ!」

朝永さんが私を突然軽々と持ち上げて担いだ。
彼の肩の上に私のお腹辺りが乗っている状態だ。

このポジション、恥ずかしい!

そんな私にお構いなしに歩き出した朝永さん。

「その足で家に入ったら床が汚れる。暴れたら落とすぞ」

「……」

低い声で言われてしまい、抵抗しようと思ったがするのを止めた。

でも理由が家が汚れるからですか。

「てか、鍵して出てけよ」

玄関の扉の前で朝永さんが言った。
私は鍵すら忘れて飛び出していたようだ。

「ご、ごめんなさい……」

それには申し訳なくなって素直に謝った。

「〇九〇××××××××」

廊下を歩きながら、今度は突然朝永さんが数字を淡々と呟いた。