何故か目が離せない。

微かも動くことが出来ない。

一分程前まで、激しい雨の音に恐怖しか感じなかった。

でも今はその音は全く聞こえない。

自分の激しい心臓の音しか聞こえない。

いつの間にか、朝永さんは私の三十センチ前。

しかも更に朝永さんの顔が近付いてくる。

朝永さん、何で私に近付いてくるの?

私に、何をするの……?

心臓が煩すぎて、どうして良いか、分からない……


『フワッ』


え?


突然勝手に身体が宙に浮くと、すぐに朝永さんの顔が見えなくなった。