着替えながら先程の状況を把握する。

人生初の告白だった。
心臓がバクバクして、胸の奥がキュンとして、杉森さんを見ただけでドキドキした……。

それなのにそんな瞬間をぶち壊し、人生初のキスをムカつく男に奪われた。
しかも人生初のキスを奪った男は私に恋人役を演じさせるためだけにした。

トキメキと怒りが交互に押し寄せる。

着替えてロッカールームを出ると朝永さんが居なくてホッとしたが、思い出す。
そういえば夕飯作って待ってろって言ってたなって。
小さく息を吐いて安堵すると私は少しだけ心を軽くして朝永さんのマンションに向かった。

今日もスーパーに寄って、家に帰ると洗濯物を取り込んで、ご飯の準備と掃除。
ご飯を作り終えると一人で食べて、お腹が落ち着いた後、お風呂に入った。

お風呂を出ると二十一時。
朝永さんはまだ帰って来ていない。

夕飯作ってろって言ったのに。

その時、窓の外から音を感じて、私は窓を見た。