「どうかしました?杉森さん」

私は小首を傾げて訊いた。

だって何かを言いたそうな顔をしているから。

「……小嶋さん、ちょっと良いかな?」

やっと喋ってくれた。

「はい?何です?」

本当にどうしたのだろう?


「小嶋さんは……本当に朝永さんと付き合ってるの?」

杉森さんから飛び出してくるとはと、予想もしていなかった言葉にドキリ。


「……はい、そうです」

いや違います!と大声で言いたいが、言えない。

だって私は居候の身。
それに住む場所も無い。
朝永さんが何を考えているかさっぱり分からないが、私は偽りの彼女でいるしかない。
あの家に住まわせてもらうために。


「俺が君を好きだって言ったら、どうする……?」