私も一先ず朝食を取る事にした。

きっと今日も掃除と洗濯をしろと言われる。
でも朝永さんはどうするのだろう……。
だって今日は土曜日、仕事は休みだ。
この部屋に二人きりで過ごすのは、物凄く気まずい……。
やる事をやったら、夕方までは何処かで時間を潰そう……。

そんな事を考えながら朝食を食べ終えた時、

『ガチャ』

リビングの扉が開いた。

「掃除しろ」

朝永さんは掃除機をリビングに置くと、また扉の向こうに消えていった。


……苛々してはいけない。


私は言いたい言葉を飲み込んで、その掃除機を掴むと掃除開始。


「あれ……?」


掃除開始十秒、私の荷物が一つない事に気付く。

ソファーとベランダの窓までの三十センチ程の隙間に置いておいた紙袋。
あれには大事なアルバムが入っていた。

私は部屋を見渡す。
余計なものなんて置いていない部屋。

それなのに紙袋の姿は見えない。


『ガチャ』


そこに朝永さんが現れた。