「起きた」
次に目を開けたら、状況に驚きすぎて一気に脳が目覚めた。
だって何故か朝永さんが薄暗い中で私の隣で頬杖をついて私を見下ろしているから。
「お前、突然倒れた」
その言葉にだから突然視界が歪んだのかと納得した。
「お前、ちゃんと寝てんのか?」
どの口が言うんだ?と思わず呆気に取られたが、それよりもだ。
「私を、運んでくれたんですか……?」
だって今、私の上には薄手のタオルケット、背中にはフカフカの感触。
「わっ!」
すると突然、先程までは仄暗い照明でうっすら見えていた朝永さんが見えなくなった。
真っ暗闇と同時に目の上には温かさと重み。
どうやら私の目を覆い被さるように朝永さんの大きな手が乗っているようだ。



