「電車は止まってないけど?」

俺は眉を寄せたまま言う。

『実は地元に帰ってきてるんです。こっちは全部止まっちゃいまして『つぐみー?どした?』

最後に聞こえてきた声に俺は目を見開いた。

だって遠くから聞こえてきたのは明らかに男の声。

しかも呼び捨て。

そいつ、誰だ。

心の中はドロドロしていく感覚が押し寄せる。

『朝永さん、夕飯作れなくてすいません!それじゃあ!』

問い詰めようと口を開こうとしたら、向こうから早口で言葉が飛んできた。
俺が訊き返す前に電話は切れた。

俺は暫く切れた携帯画面を呆然と眺めていた。

今、つぐみは男と居る。

もしかして……彼氏か……?

でもそうだとしたら、どうして俺と居る?