その日は自分の勝手でつぐみを振り回しすぎていたことを悔いながら、これからつぐみとどう接していくべきかをずっと考えていたが、答えは出なかった。


その日の夕方。
やることもなく、テレビでニュースを流していた。
そこに携帯のコール音が響いた。
確認するとつぐみだ。

何の電話だろう。
変に緊張して、深呼吸をしてから電話をとった。

『も、もしもし、朝永さんですか?』

強張ったような声が聞こえてきたのは気のせいではないだろう。

「どうかした?」

俺はつぐみが気に掛けないように心掛けて声を出した。

『あの、電車が大雨のせいで止まってしまって、帰れなくなっちゃったんです……』

歯切れの悪い声に眉が寄る。

大雨?
怪訝な顔のまま、ベランダの窓を見た。
赤い夕焼けの空が見える。
今日は雨すら降っていないし、電車が止まったなんてニュースは観てないぞ。