「夕飯前には帰ります」

目を見ずに「あぁ」と短く返すと、ドキッと鼓動が反応した。

つぐみが俺の腕を掴んだから。

「朝永さん……私、昨日何かしました?」

俺の顔を覗き込む視線を感じる。

ゆっくりとつぐみを見ると、そこには不安そうな顔があった。

そんな顔したら、俺は期待してしまう。

「俺に襲われたくなかったら、触るな」

俺はつぐみを試した。
ピキッと固まったつぐみを更に追い込む。

「そのままなら、先週の土曜日の夜の続きをするけど?」

突き放されたくない。
でも素直に口に出来ない。
不器用な俺なりの試し方。

だがつぐみは俺の腕を掴んでいた手を離すと、後ろに右足を引き、左足も一緒につれていった。

それを確認した俺は、傷付きながら目を逸らした。

つぐみには俺のキスは不快で迷惑でしか無かった。