「覚えてるか?この前の夜のこと」

「さっぱりでしゅ。だから教えてくだしゃい」

つぐみは期待した目を俺に向けている。
やはり覚えていないようだが、このつぐみなら答えるかもしれない。

「お前は俺にキスされてどう思ったんだ」

思い切って訊いてみた。

「私の質問に答えてましぇん!」

だがプイッと顔を背けられてしまった。

「お前が忘れてんのは俺のお前への告白だ」

その横顔に教えてやると、数秒固まった後、ゆっくりと俺に振り返る。

「嘘だ」

疑いの眼差しを向けて。
俺は伝わるようにつぐみを見つめ返す。

「嘘じゃない。俺は教えたぞ。だからつぐみも答えろ」

「朝永しゃんにとってはどーでもいいことでしょ!」

だがつぐみは答えずに声を荒げた。