オフィスに入り、杉森の姿が見えるとつぐみが手を抜き取ろうとして。
勝手なことをするな。とその手が逃げられないように更にギュッと掴んだ。

「おはよ、杉森」

杉森に挨拶をした。
するとつぐみに向いた杉森の視線。

数秒後、「おはようございます」と小さな杉森の声が聞こえてきた。

「一昨日はつぐみが迷惑を掛けたな」

俺は杉森に笑顔を向ける。

「……いえ」

杉森と目はずっと合わない。

つぐみを見ると微笑んでみせた。

「つぐみ、座る?」

「え?あ、はい」

つぐみは肩に力が入った様子で返しながら椅子に座った。
俺はわざとつぐみと杉森の間のデスクに凭れる。

「体調は完全に回復した?」

「え?あ、はい」

「今日の晩ご飯は一緒に作ろうか」

「え?あ、はい」