俺、お前の涙に弱いからやめろ。

涙を止めようと触れようとしたら手を弾かれた。

「結構でしゅ!私にはしー君がいるもん!」

つぐみから出てきた男の名前に俺の眉の端がピクリと反応した。

「しー君って誰だ」

「朝永しゃんには教えれあげないもん!」

問い詰めるが、頬を膨らませるとプイッと顔を逸らしたつぐみ。
こめかみがピキッとした。

「言えよ」

「朝永しゃん、気になるの?」

強く言うと、俺を上目遣いで覗いたつぐみ。

「……良いから言え」

大きな黒い瞳のせいでソワソワ落ち着かなくなって、視線を逸らして素っ気なく返した。

するとまたつぐみが泣き出した。

「私をおいてくてれるのも、気分なんれしょっ!」

その言葉に流石の俺も罪悪感。

俺、こいつを傷付けすぎていた。