少しずつ俺に心を許してくれるかもしれないなんて考えていたのに、出て行くと言うとは思わなかった。

「あっそ」

胸が痛くて、今の言葉が精一杯。
すぐに洗面所に逃げた。

苦しいのは、今日が俺の誕生日のせいかもあるかもしれない。


「朝永さん、用があるので先に帰って下さいっ!」

その日の昼休憩、社食に向かおうとしたらつぐみが声を掛けてきた。

もしかして早速家探し?
それは一刻も早く俺の家を出たいってこと?

「俺も予定があるから。飯は要らない」


理由を聞きたくなくて、逃げた。


気付いたらまたあのバー。


「電話かけても繋がらないからここだと思った。秋哉、誕生日おめでとう」

そんな日に限って、会いたくない女が現れる。