「じゃあ、つぐみちゃんはどこが好きなの?」

そんな変わった自分に驚いていると穂香が今度は小嶋に振った。

鼓動が早鐘を打つ。

なんて返すか期待している自分がいる。


「……不器用なところ」


……は?


小嶋の答えに眉間には皺が寄る。

嘘でも良いから演技しろよ。

苛立ちを覚えたところに再び小嶋が口を開いた。

「普段は意地悪だから……だから、たまにみせてくれる優しさが、特別に思えちゃって……」

小嶋は唇を震わせ、頬は薄っすら上気し、目は潤んでいた。

「でも本当は、凄く優しい人なんです……。不器用だから、伝えるのが苦手なだけ……」


それ、演技だよな?

嬉しくなってる俺、馬鹿だよな?

すると小嶋と視線が絡まる。

背中に添えたままの手の平に伝わってくる重くて速い心臓の音は、どういう意味……?