「気分」

俺は傷付きたくなくて逃げた。

「朝永さん、それは酷くないですか」

そこに杉森が邪魔をしてきた。

「小嶋さん、朝永さんじゃなくて、俺の所に来ませんか?」

杉森、突然入ってきて何?

苛々して小嶋の左手を掴む。

「杉森には関係ないだろ」

杉森に言うと小嶋の左手を引っ張って歩き出した。

「お前は俺の奴隷ってこと、忘れんな」

杉森には渡したくないなんて言えない俺は卑怯な言葉を使う。


「朝永さんと、一緒に食べたいです……」

でも小嶋にそう返されたら一瞬で苛々が吹き飛んだ。


小嶋が離せと言わないことに調子に乗って、手を繋いだまま社食に向かった。
出遅れたせいで中々二人分の席が見当たらない。