「え?」

小嶋は不思議そうに小首を傾げている。

その顔に俺の眉間に皺が出来ていく。


「……何でもない」

再び顔を逸らして誤魔化しながら自分に困惑した。


俺は今……、小嶋に期待していた……?

そして、そんな意味を含んではいないと気付いた時、苛立ちが生まれた。


それって……


いや、そんなはずはないと、否定しながらエレベーターに乗り込んだ。
すると小嶋のワンピースの裾からポタポタと雫が落ちているのと、寒そうに肩を震わせた小嶋に気付いた。

廊下を濡らさないためと、風邪を引かせないために、玄関でずぶ濡れの小嶋を担ぐと、風呂場に向かう。
貴重品を洗面台に置くと、小嶋を担いだまま、シャワーの蛇口を捻る。
冷水をかけてしまったことには罪悪感。
温かくなったのを確認すると小嶋の背中にかけてやった。