扉が閉められると私はリビングに逃げた。
でも一緒に食事をするのも気が滅入るから、一人で食べてくれるのは助かった。
私は一人で今日一日、仕事頑張ったな。なんて考えながらゆっくりと焼きそばを食べていた。


「掃除と洗濯。俺は風呂」

リビングが開いたかと思ったら、一言。
そしてすぐに閉まる扉。

何かを置いたなと思って見に行くと、床には先程運んだトレーと皿とお椀とコップ。

残さずには食べてくれた。
でも、ご馳走様すらないの?

……。

……苛々してはいけない。

私は頭を振って苛々を追い出し、ダイニングテーブルに戻ると、焼きそばを口の中へと急いで掻き込んだ。


とりあえず食べ終えた後、洗い物をして、掃除をしようと考えたのだが、


「掃除機どこ……というよりも、夜八時にマンションで掃除機は無理よね……」

そう思うと先程の理不尽な発言に苛々が襲い、再び首を左右に振って自分を落ち着かせた。