私をなんだと思っているの?

私で区切るより、あの人の場合、『女』で区切った方が良いのかもしれない。

きっと今まであの人に尽くした女性は皆、あんな態度を取られ、愛想が尽きて去って行ったようだ。
ようだじゃないな、絶対にそうだ。

あの理不尽さ、

アンタ、どこぞの国の王様か!?


「お前、会社では余計な事は言うな」

食事を棚にあったトレーに乗せて仕方なく運ぶと、ノックをして出てきた朝永さんが言った。

余計な事って?

「クビになりたいわけ?お前は俺の奴隷だろ」

眉を寄せた私よりも更に深い皺を刻んで眉を寄せた朝永さんが言う。

「言いませんっ!」

先程までの苛立ちが一瞬で強制的に消去された。

それを出されると私は何も言えません。