こっちを見ないけれど、やっと喋った。
だけど、付き合えって何を?
意味が分からず朝永さんを見ていると、やっと朝永さんと目が合った。
その目は何故か冷めきっているように鋭い。


「ヤらせろ」


今の言葉で言いたい事は分かった。
だが、突然の事にワケが分からなすぎて固まるしか出来ない。


「会社にバラすぞ?」

動けないでいると飛んできたのは久々に聞いたあの台詞。

私のこと、襲わないって言ってたのは誰?


「ど、して……?」

「気分」

震えて出した声に返ってきた冷めた声に息が止まった。

動けないでいる私に同意など求めることなく、朝永さんは私の腕を引っ張って玄関へと強引に押し込んだ。