チラリと横目で隣の朝永さんの様子を窺う。
前を見たまま、その横顔はムスッと不機嫌そうに見える。

無視するってことは、やっぱり私が何かしたの?

「あ、お昼ご飯が必要なら作っておきますよ?」

再び問い掛けてみた。

「……」

が、反応無し。

エレベーターの扉開いちゃったよ?
ねぇ、返事くらいしなさいよ。

何をそんなに不機嫌になっているの?
一人で勝手にスタスタ歩いて行くし。

……なんか、腹立ってきた。
何で私が気を遣わなきゃいけないの!?
帰ろうって言ってきたの、貴方でしょ!

「朝永さん!聞いてますか!?」

玄関の鍵を開けた朝永さんの腕を私はガシッと掴んだ。

「付き合え」

「え?」