こんな朝永さん、見たことない。

動揺してたじろぐ私。

すると私の手首を朝永さんが掴んだ。








「だからお前が好きだって!出て行くなよ!」




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思わずガバッと起き上がった。
近くには天井と右側には壁。
いつもと違う景色。
左を向くと、一メートル先には二段ベッドの上で眠るしー君の背中。
昨日はしー君の寮で泊まったんだと状況を把握した。
それよりもだ。

今の夢は何?

朝永さん……好きだから、出て行くなって……。

胸を押さえると、手にはドコドコと激しい動悸が手にまで伝わってくる。