「な、何で彼氏!?」

私は慌てて手の甲で口を拭いながら返す。

「だってこの前はお洒落のおの字も感じなかったのに、今日は珍しくワンピース着てるし」

「彼氏なんて居ないよっ!これはなんとなくだから!」

火事のせいで、一張羅はこれしか無いせいもあるけれど。

「それにずっと何か考えてるのか、ボケーっとしてる」

しー君が私を揺さぶる会話しか投げてこないから、目の前のオムライスとサラダに手がつけられない。

「年齢イコール彼氏いない歴だって、しー君だって知ってるでしょ!」

「それを力説するの、空しくない?」

「……空しいデスヨ」

真顔で言わないでよ。とジロリとしー君を睨む。

「俺はつぐみにもっと自分の事にもお金を使って欲しいだけ」

突然しー君が真面目な声で言うから、「え」と驚いてしまった。