それから数時間後の十八時、終業のベルが鳴った。

パソコンに向かい続けていた私は「ん～っ」と腕と背筋を伸ばすと、パソコンをシャットダウン。
今日も頑張った。
よし、帰ろう。

「杉森さん、お疲れ様でした」

「お疲れ様でした」

隣の杉森さんにいつも通りに挨拶をすると席を立ち、仕事で凝り固まった首をコキコキさせながら更衣室へと向かう。


「朝永さん、待ってるのかな？」

「え」

私の隣のロッカーの持ち主の愛佳ちゃんの言葉で追い出してからすっかり忘れていた人物を思い出す。
そうだ、あの人、待ってろよとか意味不明な事を言っていたと。

「いや、待ってないよ……」

私は即否定して制服を脱ぐ。

「でも朝の様子を見てると絶対現れるって！」