「スーパー行くぞ」
仕事が終わり、電車を降りていつも通り手が離されると朝永さんが言った。
「あ、はい」
スーパーに行くぞなんて朝永さんが初めて言ったことに驚きながら返事をした。
食べたいものか買いたい物でもあるのかななんて朝永さんの背中を見ながらついて行く。
スーパーに入り、物色しながらカートを押す私。
今日は何作ろうかな。
お腹痛いからあんまり食べたくないな。
今日の安い食材は何かな?
何て考えながら食材を物色しているといつもと違う状況に気付いた。
朝永さんが何故か一緒に食材を見ている。
いつも一直線にビールとアイス取りに行くのに。
そこで更に驚きの光景を見ることになる。
朝永さんが特売のネギを掴んだ。
しかも目の前のカゴにそれを入れた。
「あの……何か食べたい物、あるんですか?」
目を見開きながら既に背中しか見えない朝永さんに思わず訊いた。
すると振り返る朝永さん。



