Vanilla

「そうだよ、穂香。まず食べよ」

伊藤さんが苦笑しながら朝永さんに同調した。

「確かにこのままだとご飯食べられずに休憩終わりそうだわ」

穂香さんは真顔で頷いた。

私は一人ポカンとしたまま。


今の反応は、どう捉えれば良いの？
どう捉えて良いの？




それからは穂香さんは私達を弄らず、皆仕事の話をしていた。
私は一人、何も話せず黙々とお弁当を食べていた。
今度は朝永さんのせいで味が分からない。

ランチを済ませると私達はそこで解散した。
伊藤さんは私達とは違うエレベーターを使っているのと、穂香さんは化粧直しに行くのと、私もトイレに行きたかったし、きっと朝永さんも。