変な気管に入っていったお茶のせいでゲホゲホッ!と更に咽せると、背中には優しく摩る手の感触。

変に泳ぐ私の目。
ケホっと小さく出すと咳は治ってくれたが、動揺は一向に収まるはずはない。


「大丈夫か?」

しかも私を心配そうに覗く優しい顔。

だからその顔止めて欲しい。

貴方のせいで鎮まるものも鎮まらなくなるから。


「つぐみの好きなところね……」

目の前で呟いて私を見つめながら思案する顔の朝永さん。


朝永さん、答える気?何て返すの?

さっきまでは胃がキリキリしていたのに、今は期待で胸をドキドキさせながら目の前の朝永さんの答えを待つ。




「何でもしてくれるところ」

私に甘い顔を向けてさらっと言った朝永さん。


「つぐみちゃん、何でもご奉仕しちゃいそうだもんね!」

穂香さんのイジリは右から左へ抜けていった。