「は、はいっ!お邪魔します!」

私は急いで靴を脱ぐと荷物を持って追い掛ける。

朝永さんが通った廊下を通ろうとしたら、

「寝室の向かい、左がトイレ、右が風呂」

朝永さんは私に背中を見せて歩きながら説明。
そしてそのまま奥へと進み、ガチャっと扉を開くとまたズンズン進んでいく。

私は朝永さんを追い掛けていくと、リビングに辿り着いた。
中にはカウンターキッチンと二人掛けの小さいダイニングテーブル、ベランダ手前には二人掛けのソファーにテレビ。
無駄な物なんて置いていないシンプルな男の人っぽい部屋。


「お前はリビングのソファーで寝ろ」

朝永さんはソファーを指差しながら言った。

「朝食と夕食は毎日作れ。洗濯と掃除も毎日。でもさっきの寝室には入んな。じゃ俺は風呂」

時間に追い詰められているような早口で話すと、朝永さんはリビングから出ていった。

風というより、嵐。

残された私は暫くポカーン。