「一〇八〇円になります」

全て通し終えた店員さんが合計金額を告げた。

私は真横の朝永さんを横目でチラリ。
先程と全く同じポーズの朝永さん。

……財布を出す気配ゼロ。

奴隷が払えということですよね。

逆らえない私は財布を鞄から取り出した。

カゴを運ぶ時も袋に積めた後も、朝永さんは同じポーズ。

二リットルのお茶を入れたのは貴方ですが、私が持てば良いんですね……。


買い終わり、タクシーに戻ると朝永さんは住所を伝えた。
私はこちらに来てからまだ半年程。
住所を聞いても何処に向かうのか見当もつかなかった。


私、本当に朝永さんの家に連れて行かれる……?

それに、小間使いって、何……?

それよりも、変なこと、してこないよね……?