「だろうな」

私の目を見ながら淡々と当たり前のように返ってきた。

いやいやいや!
だろうな、じゃないですよ!


「そんなずぶ濡れで家に入ったら、家が濡れる。それにお前の貧相な身体、照れる必要ゼロ」

追加で飛んできた言葉に今度は違う意味で固まる。

確かに全身ずぶ濡れだから、このまま入ったら絶対廊下が濡れてしまうだろう。
朝永さんの家だからそう主張したい気持ちを尊重したいなんて気持ちは私にはこれっぽっちも生まれてこない。
というか、そんなことはどうでも良い。

私の今の顔は物凄く怒りで歪みまくっているだろう。

貧相だとか、私……いや、女性に言う人いませんよ!?
そんな余計な単語を言う必要があるんですか!?


「めんどくせぇ」

「きゃっ!」