「……暗くなりかけてやがる」
隣に居る朝永さんは目を細め、不機嫌全開顔で薄暗くなり始めている空を仰いでいる。
「スーパーで晩御飯の買い物して帰りましょう」
図太くなった私はそう言って朝永さんを気にすることなくスタスタ歩く。
スーパーのカゴをショッピングカートに乗せて食材を物色していると、今日も缶ビールとハーゲンダッツのカップが投げ込まれた。
今日も私にくれるんだろうなと思うと勝手に笑みが溢れる。
レジに並ぶと今日もトレーに朝永さんは千円札を置いて、買ったものを袋に詰めて出した。
「……グミ、キモい」
お金を払い、朝永さんの横へ行くと細い目で言われたが、ニヤニヤは止まらない。
今詰めた二つの荷物を全部持とうとしてくれているから。



