「ただ見て回るだけなんて、時間と体力と労力の無駄遣い」
あれから数時間後、私の目の前で不機嫌な顔でテーブルに頬杖をついている朝永さん。
私は朝永さんを連れ回して、ひたすらウィンドウショッピングを楽しんだ。
買うお金は無いけれど、見て、買った気分を味わってリフレッシュ出来た。
たまに感じる朝永さんへの女性のウットリした視線が少しだけ快感だったりもして。
そして今は少しだけランチの混雑を回避し、遅めの昼食を取っているところ。
昨日までなら苛々する台詞も、不機嫌な顔にビクビクすることもなくなった私は、パスタを食べ終わった朝永さんを堂々と待たせて自分のペースで食べていた。
「それよりも早く飯食べろ」
そんなパスタを口に暢気に運ぶ私に眉間に更に深い皺を刻んで言い放った朝永さん。
「暇なら何か話をしてて下さい。私、聞いててあげますから」
私はサラリとあっさり回避。



