その沈黙が辛すぎた私はついに口を開こうとした。

すると瞬間、背中を向けたままの朝永さんは何故かおもむろに右手を上げた。

何してるの?と考えたその時、右から光を感じて。

そちらに顔を向けようとしたら、目の前に停まった一台のタクシー。


「乗れ」

え。


「きゃっ!」

固まっていたら、腕を引っ張られると背中を押されて、そのまま強引にタクシーの中に押し込まれ。


「近くの開いてるスーパーに向かって」

乗り込んだ朝永さんはタクシーの運転手に告げる。

何故にスーパー?

私は訳が分からず動けないで居るが、運転手さんは「畏まりました」と言うと車の扉を閉めると車を走らせた。