「ほんと、ずっと一緒にいられたらいいのに」
願望は、叶わぬ願いへ縋りつくように呟かれる。彼は叶わないと、確信しているのだ。
「…なんで?」
なんでそんな風に思うの?
「居ようよ、ずっと一緒に」
私の事ーー私達の事、なんだと思ってるの?
「それとも君は、私を捨てる予定があるの?」
「なっ、無い!俺からは無い!有り得ない!!」
「私にだって無いよ。だからこれからもずっと一緒だよ」
「そうじゃないの?」と尋ねると、瀬良君は「うん…」と、なんだから歯切れの悪い返事を返す。
「実は、まだ言って無い事があんだよね」
バツが悪そうに彼は言う。罪悪感で一杯といった表情でチラリと私を見やる瀬良君に、私はドキリとしたものの、やれやれと笑ってみせた。
「分かった。なんでもこいだよ」
なんでも受け止めてあげる。あそこまで言われて、今更彼を信用出来なくなるなんて事は起こり得るはずがなかった。何を不安がる事があるのだろう。
「何があっても何も言われても一緒に居るよ」
「…ほんとに?」
「本当に」
カチリ。意を決した彼と私の視線が合わさった。
「…卒業したら俺、大学行きながら親と一緒に飛び回る生活になんだけど…それでも、ちゃんと待っててくれる?」
「放ったらかしになっちゃうよ」と、寂しそうに彼は俯いて…私は、ふふっと笑ってしまった。なんだそれ、と。



