大事にされたいのは君



果たして本当に、私がそこに居ても良いのだろうか。

瀬良君にそんな事を尋ねれば、もちろん良いのだと、私を受け入れる返事を貰うのだろう。でなければ彼は私にあんな選択肢を提示しない。一緒に来るのかを尋ねてきた時点で彼の中で私の存在はその場にあって問題無いものだという認識なのだろう。あとは私が決めるべき事なのだという事。…でも、相手方は?

瀬良君からは用があるとしか聞かされていない。勝手に私がその相手をまだ見ぬ瀬良君の女とやらに置き換えているだけだ。もしかしたら違うのかもしれない。でも、違うのならあんな話の流れでこんな事を彼は提案しない。だって彼は、私の他の男子との接触を嫌うのだから。もし自分の友達との用事だとして、そこに私が居たら瀬良君にとっても向こうにとっても迷惑でしかない結果に終わる事が目に見えている。だとしたら、やっぱり女性関係の用事である事に間違いは無いのだろうと思う。

もし私だったら、好きな人との時間に他の人が割り込むのは嫌だ。私がそこに居る事を、向こうは知っているのだろうか。私はもう彼とすれ違いたくないからと自分本位に付いていく事を決めてしまったけれど、それは相手方を傷つけてしまうだけなのではないだろうか。だって私は彼の彼女だ。私が居る限り彼の一番にはなれない。それを目の前に突きつけるだけの存在なのに、当たり前の顔をしてその場に居合わせるなんてそんな事…

「じゃあ俺がその子と何かあってもいいの?」

「…何かって何」

昼休みを二人で過ごす中、昨日の今日だったので答えの出せていない迷いを瀬良君に吐露した所、簡単には聞き流せない答えが返ってきて氷点下まで脳みそが冷えた。

「何か起こる予定なの?一体誰とどういうつもりで何の為に会うの?」

「いや何か起こる予定はないけど!ただ気にならないのかと思っただけで、」

「気になるから行く事にしたんだけど、当たり前の顔で私がそこに居るのは酷い事なんじゃないのかなって聞いてるの」

「?なんで?」