三好君と幼馴染だという事と、三好君が瀬良君の事を心配しているという事でそれ以上考える事は無かったけれど、確かにそういう考え方もある。三好君は何を考えてるかよく分からないし、話す時も口数少なめだし、まず他人の悩みに興味が無さそうだし…一見相談事には不向きなタイプに見える。

「でも三好君って嘘付かないし、痛い所を突いてくれてハッキリさせてくれる所とか、悩み相談にピッタリだと私は思うけど…」

「私の知らない所でそんな目に遭ってたの由梨ちゃん…」

「いやっ、私はそういうの助かるタイプだから良いんだけどね?むしろ気を遣わないでくれてありがたいと思うし、自分じゃ逃げちゃって気付かないままになる事だってある訳だし…」

慌ててフォローするように言葉を重ねると、「由梨ちゃん…」と、何故か同情し、労わるような瞳で見つめられた。なんでだろう。

「じゃあ今日も瀬良の事で話してたんだ」

「うん。あの、友達になったから」

「誰と?」

「瀬良君と」

「ん?え、付き合ってたの?」

「まさか!最近の私達を見てたでしょ?」

「そ、そうだよね…え、じゃあ瀬良と?瀬良とは友達じゃん」

「…ちゃんと友達になって、もっと仲良くなりたくて」

「……」

最近の私と瀬良君の事情は皆知っている。人気者な彼関係の話はすぐに出回るし、私の傍に居る朋花ちゃんからしたらあからさまに変わった瀬良君に気づかない訳なんて無い状況だった。状況を把握している彼女だから、私の言葉がきちんと届くはず。

「…そっか」