「いい、けど。僕でいいの?」
「わたしは『君で』じゃなくて『君が』いいなぁ。」
その部分を強調して言うと思った通り男の子は泣きそうになっている。
「で、でも、僕と、友達とかよく分からなくて、け、けど。僕もお姉ちゃんと友達、になりたい...。」
「ほんとに!?
あっ、じゃあお友達記念にお名前教えてくれる?」
わたしはそう言ってやったねと、とびきり笑顔でピースしてみせるとその男の子は少し心を開いてくれたのか表情が柔らかくなった。
さっきの会話で分かる人は分かると思うけどこの子はいじめられてるんだと思う。
男の子の背中と雰囲気でなんとなく昔のわたしに似ていたからもしかして、と思ったけど今話をしていて確信に変わった。
「う、うん!!僕は須藤優(Sudou Yuu)って言うの。お姉ちゃんの名前は?」
「わたしは富山楓って言うの。
へー、優くんって言うんだ!
よしっ、私は優くんの親友になれるように頑張るから、優くんは辛くなったらここにおいでね。」
優くんの目をまっすぐ見ながら言うと優くんは目に涙の膜を張りながら「うん!楓ちゃんまたね。」って言って元気よく頷いてくれた。
わたしもまたね、と優くんの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。

