もっと生きたい君と、そうでもない僕。

悲しみに溺れる
心にぽっかり穴が開く
何もしたくなくなる
鈴音が死んでから、この3つの言葉の意味がわかった気がした。
鈴音の寿命1時間前まで、元気な姿を見ていた。
ひょっとしたら、と思ったけど、そんなに現実は甘くなかった。
1時間後、鈴音は呆気なく死んだ。
鈴音のお母さんから、そう電話がきた。
葬式にも、散骨式にも、参加した。
はず。
参加したはずなのに、記憶が無い。
ただただ、時間が過ぎるのを呆然と待っていて、気がついたら終わっていた。
それからと言うものの、食べても味がしにくくて、勉強も、運動も、ましてや本を読む気にすらなれなかった。
ただ、寝て過ごしていた。
本当に、最後に鈴音の側いるのが僕でよかったのかと情けながら考えてしまう。
そんなこんなで、もう11月に突入してしまった。

ピーンポーン
呼び鈴がなってしまった。
こんな時に誰なんだよ。はぁ。
ちょっと少し待ってていて。
すぐ戻る。