「これが、彼女?」
「おう」
「やめてくれ・・・」
俺は、深くため息をついた。
「ん?何の話しているのー?」
「なんでもない・・・てか、降りろ」
「はーい」
莉桜菜は、素直に俺から降りて今度は傍らに腰を下ろした。
「な、真司君」
「なに?」
「私は何に出ると思う?」
莉桜菜は、聞いて聞いてと訴えながら俺の答えを待っている。
自分のこと以外話聞いていなかった。
黒板はすでに消されていて、何が書いてあったかも分からない。
全に視線を向ければ、肩を竦めてきたので、当てにならないし。
「・・・分からん」
「えぇー聞いてなかったの?」
「あぁ」
「じゃあ、当ててみてよ」
当ててみろと言われてもな。
俺は、ジッと莉桜菜を見た。
運動神経が良さそうには申し訳ないけど見えない。
こいつが出来そうなのはなんだろうか。
「・・・借り物競走?」
「!正解っすごーい!」
一発で当てられ、莉桜菜は手を叩いて喜ぶ。
俺は、1回で当てられて良かったと思った。
「ひゅー愛だねぇ」
「なんだよそれ」
「ははっ」
「茶化すなよ」
「?真司君、牛島君と仲良くなったの?」
俺が全と話をしている様子を見て、莉桜菜は首を傾けた。
「そうそう、最近こいつはなしかけやすくなったから、話し掛けてみたんだよ」
「そうなんだね!よろしくね」
「こちらこそ。きっと塩田のおかげなんだろうな」
「?何が?」
「ハハッなーにも」
全の言いたいことが伝わっておらず莉桜菜は首を傾けるが、全は笑みを深めるだけだった。


