答えられずにいると、牛島は首を傾けた。


「どした?」
「いや・・・驚いて」
「は?何に?」
「牛島君が、俺に話し掛けていることに」


すると、牛島君は声を上げて笑った。


「なんだよそれ、まあ、まともに話し掛けたのは初めてかもしれないけどよ、俺は、ずっとお前と話をしてみたかったんだぜ?」
「え?」
「お前、近づくな、話し掛けるな、関わるなオーラ全面に出しているからさ、みんな敬遠していたんだよ。でも、最近和らいできているなーって思ったから、思い切って話し掛けてみた訳よ」


「俺・・・そんなオーラ出してた?」


「無自覚かよ。全開にな」


そうなのか、と俺は牛島君の話を聞いて驚いた。
俺はそんなつもりはなかったのに、周りはそう感じていたのだろう。


「今はそうでもないさ・・・で?お前はどうするんだ?」


聞かれて俺は、黒板をまた見る。


「個人競技がいいとは思っている。」
「そうなのか?」
「集団は苦手だから」
「騎馬戦とか楽しそうだけどな」


俺の机に頬杖をつきながら牛島君も黒板を眺める。


「じゃあ、騎馬戦にすれば?」
「あーどうしようかなー」


まだ、悩んでいるようだ。
そうこうしているうちに、また委員長が前に立った。