『別に遊園地じゃなくても良くないですか』
『!遊びに行けるのですか!』
『近場なら・・・』


返信した瞬間、喜びのスタンプがたくさん送られてきた。
近場なら遊びに行けるとは行ったものの、そんなに遊び場を知っているわけなかった。
普段はいつも河原でギターを弾いているし、学校からの帰り道はコンビニくらいしかない。
電車に乗れば隣町にショッピングモールやゲームセンターはあるが、転校生はこういう感じのを求めているようには思えなかった。
俺のない頭では手詰まりだった。
光平に、相談してみようか。
否、あいつに言ってしまったらいらぬ方向に向かいそうだ。


俺は、ベットから抜け出してリビングに降りた。
リビングには、ソファに座って洗濯物をたたみながら母さんがテレビを見ていた。
バラエティ番組の再放送かなにかで、笑い声が時々上がる。


「母さん」
「ん?」


肩越しに母さんが振り返る。
俺は視線を泳がせた後、俺は意を決して口を開けた。


「なぁ、近場でなんか楽しめる場所ってある?」
「・・・え?」
「遊び場?みたいな?ある?」


母さんは一瞬目を見開いた後、ちょいちょいと俺を手招きした。
俺はそれに従って母さんの側に行って傍らに胡座をかいて座った。