俺は、ギターを肩に掛けて、転校生の横を通り過ぎようとした。
しかし、通り過ぎ様に腕を掴まれて止められる。


「・・・離してくれないか」


転校生は、首を振る。


「・・・意味が分からない」
「私は、」
「お前の友人は俺が近くにいるのは気にくわないと言っていた」
「え!」
「俺もそうだと思う」


俺の言葉に驚いている転校生に手を俺は振り払った。


「俺とお前は違うんだ」



「ーーー違わない!!」


転校生は叫んだ。
びっくりするほど大きな声だ。


「誰が、なんと言おうと、私は真司君と友だちだし、友だちが一緒に帰ったらダメって決まりなんてないでしょう?」


必死に、転校生は俺にすがってきた。
目に涙を浮かべながら、転校生のその姿に俺は不思議で仕方なかった。


「ーーーなんで、俺なんだ?」
「え?」
「俺は、人と関わることが苦手で、話をするのはもっと苦手だ。お前に比べると友だちなんてほとんどいないし、暗い。そんな俺にどうしてここまでこだわろうとする?」

俺は、転校生に思ったことを素直に打ち明けた。


転校生は、俺の言葉を聞いて、涙を拭うとあのいつもの笑顔を浮かべた。