これから先、莉桜菜よりも好きだと思える人が現れるのだろうか。
それは、未来にならないと分からない。
でも今は、俺の心の中は莉桜菜だけだ。
何があってもきっと、変わらないだろうな。
そんな確信があった。


「ーーーーなぁ、俺の人生のレールの終着点はどこだろう?」
『・・・分からないよ』
「そっか・・・じゃあさ、そのときそこに莉桜菜はいてくれるか?」
『え?』
「いつか分からないけど、いてほしい」


これから先、どんなことがあっても最後の最後待っているのは莉桜菜であってほしい。


『ーーーーあんまり遅いと、先に行っちゃうから』

「それは困る・・・待ってて」

『うん・・・あ、それ』

莉桜菜は俺の首元にあるネックレスに気づいた。

「これ、莉桜菜にあげた奴」
『真司君が持ってるんだね』
「あぁ・・・ずっとつけているよ」

肌身離さず、ずっとこのネックレスは俺と共にあった。


『じゃあーーーずっと一緒だね』
「あぁ、そうだな」

お互い、笑い合う。


気がつけば、だんだんと莉桜菜の姿が薄くなっていた。


「体が、」
『もう、時間みたい』


莉桜菜は、苦笑して俺から離れた。


『お別れだね』
「・・・あぁ」
『会えて嬉しかった』
「俺も・・・そうだ、莉桜菜」
『何?』


莉桜菜の足はもう見えなくなった。


「俺のーーー俺たちの歌、ずっと莉桜菜に届けるから」
『!楽しみにしてる』


莉桜菜の体が見えなくなる。


「待っていて」
『うん、待ってる』


「じゃあ、な」
『さよならーーーー大好きよ』


「俺もーーーー大好きだ」


ざぁぁっとまた強い風が吹いて、俺の視界を遮る。


次、目を開けたとき莉桜菜の姿はもうどこにもなかった。