「じゃあ、今日は俺はこれで帰る」
「え、」
「また、明日な」
俺は、お母さんに頭を下げてから、病室を出た。
その後、莉桜菜がお母さんと話をするかはもう彼女自身が決めることだ。
出しゃばったかもしれない。でも、俺はこれで良かったんじゃないかな、と思った。
心は、何故かスッキリとしていた。
次の日。
休日ではなく、平日だ。
俺は、いつも通りに起きると学校に行く準備をした。
本当は、今日は莉桜菜が着物を着れる日なので、出来ることなら行きたかったが、学生で勉強する身であるからそうも言ってられない。
昨日、莉桜菜のお母さんには言ってあるから大丈夫だろうと思う。
今日の授業内容を時間割で確認してから俺は、リビングに降りた。
「おはよ」
「おはよう・・・って、あんた早いわね」
「は?学校行くから早いに決まってるだろ」
リビングに降りてきた俺を見るなり、母さんは目を見開く。
今日は、平日だよな、とカレンダーを確認すると、やっぱり今日は平日の月曜日だった。
「あ、ごめん言うの忘れてたわ。あんた今日学校休みになったから」
「・・・は?」
「学校、休み。熱出たことにしてる」
一体この母は何を言っているんだろうか。
「学校休み・・・?俺だけ?」
「そうね」
「熱出たんだ?俺?」
「今日一日限定でね」
「何時電話したの」
「先週の金曜日」
「なんて」
「高熱だから月曜日まで休ませますって」


